レイアウト製作記 No.31

Nゲージレイアウトの製作記です。作業の進行にあわせて随時更新します。現在は現代東京をモチーフにした「西飯倉」を製作中で、長く懸案だった道路・歩道まわりの工作を中心に据えつつ、並行して既製品ストラクチャーの改造・加工を行っています。

21/06/09 - 点字ブロック製作

今回は主に点字ブロックの表現を行います。

点字ブロックは地下鉄ホームと同様に普通紙の印刷で表現します。適度に目立たせながら、彩度ならびにコントラストを抑えて風景に溶け込ませることを意識しました。

カッターナイフとデザインナイフで切り出し、少量のマットメディウムで固定しました。こちらはもっとも点字ブロックが集中する西飯倉交差点周辺で、バス停の点字ブロックの位置が中乗り仕様になってしまっていることに今気づきました。

歩道の幅が広く取れている西飯倉三丁目駅前は歩道に沿って点字ブロックを配置しています。

「止まれ」標示にはこばるの「道路標示(2)インレタ」を使用しました。ダイヤマークも同製品のものを使用する予定でしたが、ちょっと全体のバランスから見ると大ぶりな気がしたため、2mm幅のICテープを切り出して表現しました。

さて、オランダドライフラワーの街路樹はちまちま製作をしてきたのですが、ゴム系接着剤(ここではコニシ「ボンドGクリヤー」)の特性、すなわち「ドバッと出て、とにかく糸を引き、乾燥も早い」に難儀し、作業効率がまったく上がりませんでした。

そこで、コニシ「ボンド布用(クリヤー)」を試してみました。水とウレタン樹脂からなる接着剤で、糸が引かない適度な粘土で非常に扱いやすく、この分野ではポスト・ゴム系接着剤と言っても良いかもしれません。

今回は時間切れでミニ街路樹を数本製作したのみですが、「ボンド布用」のおかげで製作スピードも上がったので、次回以降量産を進めていきたいと考えています。

最後にサイズダウンしたKATO「地方銀行」について、フラットホワイト・ミディアムグレイ・スカイグレイを吹き付けてベース塗装を行いました。今後は屋根や正面扉の色差しに加え、全体的にもう少し白っぽい色調に仕上げる予定です。

21/05/11

引き続き歩道・道路の工作を行います。



さて、ここに来て今までガードパイプを直接スタイロフォームに試し挿ししていた穴が結構目立つことが分かり、「タミヤパテ(ベーシックタイプ)」で穴埋めを行いました。明るいつや消しグレーになっているのが施工部分です。



タミヤパテを塗った部分にニュートラルグレーIIIを筆塗りし、再びミディアムグレイにフラットホワイトを混ぜたものをエアブラシしてリカバリ完了です。



前回作成した治具を用いて、直径0.6mmドリルでガードパイプ用の固定穴を開孔しました。



モーリンの「ガードパイプA」は緑2号で塗装してありますが、ミディアムグレイ+フラットホワイトを薄く吹き付けてトーンダウンさせました。

再開発エリアには、敷地境界に沿う形でタケダ製「芝生マット(イエローグリーン)」を追加してアクセントに。同じくミディアムグレイ・フラットホワイトのエアブラシで色調を落ち着かせています。バスコレの都バス、カーコレのタクシーもガードパイプ同様にエアブラシして彩度を落ち着かせました。

次に横断歩道を表現するため、ICテープ3mm幅を切り出します。1mm幅が平滑なプラスチックであるのに対し、厚手のマスキングテープのような材質です。近くで見ると1mm幅との材質・色の違いは隠せませんが、少しざらつきのあるつや消しの表面は決して悪くありません。

西飯倉交差点まわりに一通り貼ったところです。

次いでICテープ1mm幅を貼り、中央線を表現しました。ついでに3mm幅で停止線を追加しています。道路ができあがってくると都市の雰囲気が出てきますね。

ICテープは先端部や曲線部が剥がれやすいので、水で薄めたマットメディウムを上から塗って補強しました。

21/04/26

今回は優先課題である道路・歩道を中心に進めました。

ニュートラルグレーIIIベタ塗りだったアスファルトは、ミディアムグレイに少量のフラットホワイトを混ぜたものを吹き付けてコントラストを下げました。

次に歩道を両面テープで固定しました。ついでに位置が確定した西飯倉駅の地下鉄出口について、ボードを切り取って固定しました。


歩道にモーリンの「ガードパイプA/B」を固定するのに先立って、当該製品のランナーに付いている位置決め治具に細工します。この治具は端から約2mmの位置に開孔してあるのですが、境界ブロックを省略している当レイアウトのいんちき歩道には少し距離がありすぎるので、エッチング板をカッターでカットして、端から1mmの位置に開孔できるように調整しました。

加工した治具を用いて位置決め・開孔の試作をしてみました。ちょうどいい位置に開孔できることが確認できたので、次回以降、この治具を使ってガードパイプの固定を進めようと思います。今回の試作では歩道全体のバランスを考慮し、オランダドライフラワー+ファインリーフフォーリッジの街路樹は約3cm高のミニ仕様としてみました。

最後に建物工作を少しだけ。ジオタウンの角店シリーズのうち、唯一現在も容易に入手可能な「看板建築の角店1(銅板・左)」です。他の建物も安定供給してほしいところなのですが、これだけ売れ残っている原因は他の角店と比べて店構えが地味なことが一番かと思います。もっとも、それをカバーしようとした結果(?)のやたらとビビッドな赤色のヒサシや、同じく赤系の瓦がかえって購入を躊躇わせてしまっている気もします。


ヒサシをジャーマングレイ、瓦をミディアムグレイにジャーマングレイを混ぜたもので再塗装しました。確かにこれでは地味すぎるのですが、いずれは自動販売機の設置などで活気づけたいところです。

21/03/14 - 再開発ビルの屋上をつくる3

KATO製「ブランドビル1」を改造している再開発ビル屋上を大枠完成させます。

まず屋根パーツは全体をロイヤルライトグレイで塗装。ついで屋上機器のうち大型の変電設備(?)をスカイで、空調室外機をハルレッドで筆塗りしました。

次は飲食店の入る建屋です。外壁はテラコッタをイメージし、デザートイエロー+フラットホワイトをベースにバフ等で色調を調整したものを吹き付け。
窓枠はジャーマングレイ、内壁はスカイグレイ+ミディアムグレイ、エレベータ扉はチタンシルバーの吹き付け塗装です。

建屋屋根はミディアムグレイで塗装し、人工木のウッドデッキは赤味の強いフラットブラウンと明度調整用のフラットホワイトをベースに調色して吹き付けました。

芝生にはタケダ製「芝生マット(イエローグリーン)」を使っていますが、そのままでは彩度がやや高すぎるのが難点。今回ミディアムグレイにフラットホワイトを混ぜたものをエアブラシで表面に吹いて落ち着かせました。写真左が製品状態、写真右側が吹き付け後です。

色調調整した芝生マットをゴム系接着剤で固定し、前々回作成したオランダドライフラワーベースの樹木を0.6mm孔を開けて固定しました。

最後に人形とセパレートベンチをゴム系接着剤で固定してひとまず完成です。飲食店は空っぽなのが丸見えのため、いずれ内装の作りこみをしたいところ。

公開空地横の芝生も屋上同様エアブラシでトーンダウン。ダミーの石畳軌道には先日購入した鉄コレの都電7000を載せてみました。相変わらずよく出来ています。

21/02/21 - All Greek

KATO製ジオタウン「地方銀行」を改造します。



こちらが製品状態。実物をモデル化したとてもよくできた製品ですが、いかんせん大きすぎて他の建物とのバランスが悪いので、ふた回りくらい小さく改造します。



天井も含む一体成型のため、まずは天井部分を除去し、可能な限り板キット状に分解しました。ドーリア式の円柱はなんと別パーツで、柱頭に向けたテーパーまで再現された凝りよう。関水金属の本気を見た気がします。



カッターとデザインナイフを用いて切り継ぎました。比較用に置いた製品状態の屋根パーツと比べるとかなりコンパクトになり、街コレ5の銀行くらいのサイズ感になりました。余談ですが、当時の街コレに付属していた商品説明は結構面白く、銀行は「一応、ギリシャかローマの神殿を参考にしたような古典系の様式建築を気取り、街なかで精一杯の威厳ある姿を誇っています」とのピリ辛論評。一方、本銀行は米国の設計事務所が設計したルネサンス・リバイバル建築、外壁は御影石仕上げ・・・ということにしておきましょう。

陸屋根および上部壁パーツは0.75mm厚プラ板をベースに、こばるの「プラノイタ(レンガ積み)」とEvergreenの0.5mm厚プラ平棒を組み合わせて新製しました。変則的な形にしているのは、レイアウトボードに合わせるためです。

正面階段はベースパーツにモールドされていたため、0.75mm厚プラ板の積層で作り直しました。玄関はパステルカラーで地方私鉄のような雰囲気が素敵ですが、本店のお高くとまった感じを出すうえでは今後ぜひとも塗りなおしたいところ。

最後に西飯倉2丁目のオフィス街に設置したところです。塗装がまだですが、ひとまず形にすることができました。

21/01/24 - Going Dutch

今回は前回試作を行った街路樹の製作を行います。

街路樹の量産用に今回オランダドライフラワーを購入しました。

太い枝から繊細な枝先を折り取り、Nスケールにちょうど良い枝ぶりのものを約40本得ることができました。

まずは黒染めを行います。ナローゲージショップさんが公開してくださっている方法を参考にさせて頂き、墨液を2倍の水で薄めたものに数秒浸したのちキッチンペーパーで余分な液を落とすという手順で黒く染色しました。

こちらが染色後のオランダドライフラワーです。

写真では一見真っ黒に見えますが、よく見ると適度にくすんだ色合いになっていることがわかります。

次に枝先にファインリーフフォーリッジをゴム系接着剤で接着し、適宜ファインリーフフォーリッジを少量ずつ追加して葉を表現します。この辺りのメソッドは伝統的な樹木キットのそれと同じですね。まずは街路樹用の小さな木から。

次にこちらは大ぶりの木です。なかなか悪くない出来で、今後この方法で量産していきたいと思います。
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