Nゲージレイアウトの製作記です。作業の進行にあわせて随時更新します。現在は現代東京をモチーフにした「西飯倉」を製作中で、長く懸案だった道路・歩道まわりの工作を中心に据えつつ、並行して既製品ストラクチャーの改造・加工を行っています。
都市型から2か月だけ浮気して、カラーブックス 「蒸気機関車」の”加世田のハノーバー”を再現する全2回の後編です。前回主役の南薩1号機・2号機タイプを製作したので、今回はお立ち台の製作を行います。
サイズは既製の写真立てをそのまま流用できるL版サイズとしました。土台はスタイロフォーム「ザ・スリム」7mm厚に、表面を軽くペーパーでざらつかせて簡単に表面処理した0.75mm厚のプラ板を乗せる2層構造にしました。全体のレイアウトは、線路・未舗装道路・田んぼという構成です。
ほとんど地面と同化した薄い線路は、表面をざらつかせた0.25mm厚平棒の枕木と0.5mm幅角棒のレールを組み合わせお手軽に自作しました。ついでに、スタイロフォームはカッターで簡単に整形しておきました。
同じ要領で、留置線より少しだけ枕木間隔を狭めて本線の線路を作成しました。また少し見えづらいのですが、0.3mmx0.5mm角棒で未舗装道路に残る旧留置線のレール跡を表現しています。ついでに、
・本線ポイント部の接続桿を直径0.3mm真鍮線、転轍棒をKATO「複線ワイドラーメン架線柱」のリベットモールドのあるパーツでお手軽製作。
・石垣は鉄やすりで表面をざらつかせたこばる「プラノイタ ブロック(レンガ積み)」を使用。
・留置線横に転がっているガラクタはジャンクボックスにあったエッチングパーツを置いてみましたが、イマイチなので置き換え予定です。
バラスト散布に移ります。KATO「バラスト(明灰色)」を、本線は「作り方」通りの湿らせた状態で散布する方法、留置線は先にマットメディウム水溶液を塗り、上から少量の乾燥状態のバラストを振りかける方法で固着しました。
田んぼの造形と未舗装道路の表面処理には紙粘土を使用。表面処理は「作り方」の指で薄く延ばして塗り、少量の水でなじませる方法です。表面処理としてはちょっと凸凹が過剰な気がしますが、土に埋まったレールの表現はうまくいきました。
0.25mm厚のプラ板を切り出して本線のダルマ転轍機を製作しました。重り部分は丸棒をスライスし、中央を開孔して表現。ついでに留置線横のガラクタは転轍棒同様、複線ラーメン架線柱のリベット部分を切り出して作成。
塗装に移ります。
・地面はフラットホワイト:ミディアムグレイ=1:1を基調に少量のバフを混ぜたものを吹き付けて塗装しました。
・線路は上記の地面塗装に少量のフラットアースを追加したものを細吹きしました。本線はレール表面にクロームシルバーを筆塗りしたあと、前述の線路色にさらにレッドブラウンを加えたものを吹いて少しメリハリの効いた色合いとしました。
・未舗装道路にある旧留置線のレールは薄めたミディアムグレイで筆塗りしました。もっとも、これは予め塗装しておくという順序が正解ですね。
・ダルマ転轍機はジャーマングレイで塗装し、オモリの上半分をフラットホワイトのエナメル塗料で色差ししました。
・留置線横のガラクタは全体にジャーマングレイを吹いたあとに線路と同じ色を吹いて落ち着かせました。
緑化です。まずはベースとしてターフを用いた緑化を行い、今回は若草色を中心に一部ローライトに土色を使いました。ついでに全体の色調をみながら追加の着色を行い、
・田んぼの地面はかなり薄めたエナメル塗料のフラットアースを何度か塗り重ねて塗装しました。
・留置線の線路はエアブラシ塗装のみではボンヤリしていたので、枕木を薄めたフラットアースで、レール表面をフラットアースとダークグレーを混ぜたものでそれぞれ筆塗りしました。
次に少し高さのある草として、ミニネイチャーの「小さな草むら」の萌える春、秋の訪れをマットメディウムで接着しました。
仕上げに全体(特に緑化部分)について、コントラストを下げるためにエアブラシで前述の地面色を吹いて落ち着かせました。
南薩2号機のヘッドライトと1号機の後部ライトに、ライトレンズとしてウェーブ製「Hアイズ3 クリア」直径1.2mmを開孔せずにマットメディウムでポン付けしました。錆色のなかで適度に存在感のある良いアクセントになりました。最後にお立ち台の色調に合わせてコントラストを下げるために全体にフラットアースを吹き付けました。
機関車とお立ち台を組み合わせて完成です。
以前No.30にて、カラーブックス 「蒸気機関車」の"屑鉄屋のケ100"をモチーフにした情景を作りました。
実はもうひとつどうしても再現したいシーンがあり、それがこちらの"加世田のハノーバー"です。赤茶色に錆びついた古典蒸機のカラー写真は、短くも感情を揺さぶるキャプションと相まって観る人に強い印象を与えてくれます。今回は、こちらの南薩1号機・2号機をお手軽に「タイプ」で製作します。
ベースとするのは日車製南薩4号機がプロトタイプのトーマモデルワークス製「日車Cタンク(ディスプレイモデル)」です。蒸機のプラキットという珍しい製品で、下回りはプラ製のダミーという今回の目的におあつらえ向きの仕様。本格工作派メーカーの製品ですが¥3,000という良心的な価格も◎です。
さて製品プロトタイプの4号機と、今回製作するハノマーク製南薩1・2号機との外見上の大きな違いは、私のど素人目線では
・サイドタンクの台枠への接地面積が小さく、タンク下に空間がある
・シリンダが煙室より前方に配置され、斜めに伸びる主蒸気管で接続されている
・台枠が車体前方に狭く伸び、シリンダ上部が露出している
・逆止弁がボイラー上に左右対称に設置されている
が挙げられますが、このうち、サイドタンク形状はリベット表現などを考えると私にはどうにもならないとあきらめ、それ以外の部分で少しずつ似せていこうと思います。
まずは2号機より着手します。キャブ側面は、カッターとデザインナイフでドアを抜き、公式側のサイドタンク側面に0.25mm厚プラ板を切り出して2号機の特徴である手すり(足かけ?)を追加しています。
続いてキャブです。
・キャブ正面は、南薩機の特徴であるひし形の回転窓を裏から1mm幅x0.25mm厚のプラ平棒を接着して表現しました。
・キャブ屋根のベンチレータは0.25mm厚プラ板を上乗せして前方向に延長。屋根後部には0.25mm厚プラ板で2号機特有のライト台座を表現しました。
・キャブ妻面はライトモールドを削り落とし、窓には0.25mm厚プラ板を切り出した蓋を接着しました。ついでに、床板と干渉する下部の突起は切除しています。
次は台枠とボイラーです。
・0.25mm厚プラ板で台枠を2mm前方方向に延長しました。車両前方の7mmは左右2mmずつ幅を詰め、さらにサイドタンク端から斜めにカットして次第に台枠が狭まっていく形状を再現しています。
・ボイラーへと繋がる主蒸気管のモールドを削り落とし、直径0.6mmドリルで台枠にパイプ穴を開孔しました。
・ボイラーはほぼそのままで、正面のナンバープレートを固定する部分の手すりを除去していますが、不要な加工だったかもしれません。
上周りを組み上げ、加工を続けます。
・直径0.5mmの丸棒をS字に曲げ、台枠に開けた穴とボイラーに接着し、特徴的な主蒸気管を表現しました。
・排障器は切除し、端梁も高さ方向を切り詰めました。ダミーカプラーは下回りではなく端梁に直接接着しています。
・下回りは、シリンダ上部が露出する構造なので、キットのシリンダパーツが使えません。取り急ぎ手元にあったMicro Engineeringの「V-8 Engine」で代用するという暴挙に出て、シャーシに瞬間接着剤で固定しています。
妻面側です。
・前面同様端梁を切り詰めてダミーカプラーをボディマウント化しています。カプラーはデザインナイフで開口部を少し広げて実際に連結できるよう加工しています。
・極細プラ棒で非公式側車端部のステップ状の構造物を追加。ステップは金属パーツが手に入らず省略しました。
・キャブ床は0.7mm厚プラ板を切り出して新製し、一番目立つドアまわりのみこばるの「グレーチングと縞鋼板蓋」の縞鋼板を接着しました。
細部の仕上げです。
・汽笛はKATO製Assy「8620 東北仕様 汽笛」を使用しました。またボイラー上の逆止弁も同製品を2点組み合わせて接着してでっちあげました。
・水タンクと石炭庫の水平方向のおそらく装飾用の手すりは、直径0.2mmの真鍮線を瞬間接着剤で固定して表現しました。
・ナンバープレートと社紋はトーマモデルワークス製「ナンバープレートセットB(私鉄蒸機用)」を使用しました。非公式側には、0.25mmプラ板を切り出してハノマークのメーカーズプレートを再現しています。
同様に1号機も製作しました。加工内容は2号機とほぼ同じで、主要な相違点として前面のヘッドライトは台座を残して切除し、キャブ屋根後部に移植しています。
タミヤのメタルプライマーを付属のハケで金属部分に塗った後、全体をクレオスのマホガニーで吹き付け塗装しました。
最後に、主蒸気管やナンバープレートにミディアムグレイを筆塗り後、ハルレッドを細吹きして赤錆びを表現して完成です。現在製作中のレイアウトには設置場所がなく、また"加世田のハノーバー"のイメージにもあわないので、次回はこの蒸機専用のお立ち台を作成したいと思います。
まずは最上階に「例のプール」を設置した「駅前近代ビルB」の追加加工です。
頑張って内装を作ったはいいが、屋根を乗せるとさっぱり見えなくなる、というのは模型工作のお約束。そこで屋根板を裏返して天井とし、Tomytec製「電飾キットE3」のLEDチップと同じ大きさの開口部をデザインナイフで設けてはめ込みました。
天井と床板に切り欠きを設けて、配線を取り回しました。今後屋根板は新製して、もう一段重ねてLEDユニットを覆い隠す予定です。
照明を点灯したところ。鮮やかな昼白色がなかなか悪くないですが、ちょっと光が強すぎるようで要調整です。
さてプールは一旦これくらいにして、前々回の続きに戻ります。都バスバス停のお供として、モーリン製「ガードパイプA」を金属用ニッパーでカットし、製品にはない”ピン”仕様を作りました。カット断面はタミヤのメタルプライマーを塗ったのち、緑2号でタッチアップしました。
都バスバス停本体はフラットブラウンとジャーマングレイを調色してエアブラシ塗装し、ガードパイプとともに西飯倉三丁目の駅前に配置しました(白プラ棒は自立しないバス停を支える仮支えです)。ついでにこばる製プラノイタ「コンクリートタイル1」を切り出して歩道タイルを作成、現時点ではパールグレーのベース塗装のみ済ませています。
同じく前々回着手した人道橋の板張りはバフとスカイグレイを混ぜたものでベース塗装し、薄めたエナメル塗料のフラットアースを筆塗りして仕上げました。再開発感のある明るめの色合いになり、リノベ倉庫のテラス部もトーンを合わせることを検討中です。
さて、1年前に分解再組立を行ったあと放置していた高架線(elevated track)の再塗装に着手します。まずは先送りにしていたガーダー切り欠き部の縁取りについて、1mm幅プラ棒で作り直しました。
ガーダーは要塗装箇所が多いため、今回は鉄骨の塗装のみ完了しました。修正箇所を中心にクリーム色1号でエアブラシ塗装し、土台部分はエナメル塗料のミディアムグレイとフラットホワイトを混ぜたもので筆塗りしました。
いよいよ夏本番いうことで、建物コレクション「駅前近代ビルB」の最上階に屋内プールを設置します。
まずは屋根板からで、塗装表現の採光窓のある製品の屋根板は使用せず、Evergreenのsidewalkで新製しています。また最上階にある正面の大型窓は桟をすべて撤去しました。
内装は、ためしてガッテン等の撮影で知られる「例のプール」をモチーフにして作ります。数多くの映像作品に使用され既にNで再現された方もいらっしゃる人気物件で、名前はご存知なくてもどこかでご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
床タイルはEvergreenのsidewalk、側壁はこばるのプラノイタ「波板」です。プールはプレーンな1mm厚プラ板で構成し、1つ下のフロアの窓と干渉しないよう、浅めの作りになっています。水面は透明プラ板を高さ調整用の透明プラ板で固定して表現しました。
とここまで作ったところで、Tomytecさんより同製品のバリエーション展開として「専門学校・貸しスタジオ」の11月発売が決まり、よりによってプールの台紙付で出るとのこと!
公式に先を越されてしまいました。
後出しになってしまうのがちょっと悔しいですが、どうせ後出しならやれるところまでやろうと気持ちを切り替えます。
側壁にウェーブのNew R・リベット丸の直径1.6mmで照明を追加。また実物同様に室内窓を開口し、その大きさに切り出した透明プラ板をはめています。ドア、キーボックス(?)、スピーカーはプラ板より切り出して簡単に再現。
次に後部窓のT字サッシを撤去して0.75mm幅角棒で窓枠を作成、プラ板と0.5mm幅角棒で斜めに走る桟を追加しました。
正面窓は0.75mmと0.5mm角棒で窓枠を作成し、斜めに角度を付けて固定しました。
塗装に入ります。側壁はバフを少量加えたフラットホワイトを吹いてベース塗装し、薄めたデザートイエローのエナメル塗料を部分的に塗ってアクセントとしました。ドアとスピーカーはジャーマングレイ、照明とキーボックス(?)はフラットホワイトです。
床タイル、プール本体はフラットホワイトにスカイグレイを混ぜたもので塗装し、水面は透明プラ板にエアブラシでクリヤーブルーを吹いて表現しました。
以下の通りいくつか小物を追加しています。
・手すりは0.5mm幅角棒をカッターで0.3mm幅程に細く加工のうえで曲げて再現。色はクロームシルバー筆塗りです。
・エアーマットはこばるプラノイタ「波板」を切り出し、フラットホワイトでベース塗装ののちクリヤーグリーンで塗装して表現。
・観葉植物はEvergreenの丸棒をヤスリで形を整えて植木鉢を作り、デザートイエロー・ハルレッド・フラットアースを調色して筆塗り、ファインリーフフォーリッジをマットメディウムで固定して表現しました。
内装を組み上げ、KATOの「水着姿の若者たち」を配置するとこんな感じです。小さめですが「例のプール」っぽさは出ていますでしょうか?正面と後面の窓枠はいずれもジャーマングレイで塗装し、マットメディウムで透明プラ板を接着しています。
最後に別アングルから。プールがあるのに二人とも水に入らないのは・・・お察しの通り、水深の不足が分かってしまうからです。
まずはダウンサイズしたKATO製ジオタウン「地方銀行」を完成させます。
前回少しグレー寄りの色調だったため、フラットホワイトに少量のロイヤルライトグレイで色調をより白に近づけました。
屋根はミディアムグレイに少量のフラットホワイトを混ぜて色調調整したエナメル塗料で筆塗り。正面の木造扉はバフのベース塗装にフラットアース・レッドブラウンのエナメル塗料で筆塗りし、地鉄風の水色から一転、高級感のある扉に仕上げました。
完成した「地方銀行」をレイアウトに配置したところ。畏れ多くも日本橋の三井本館をモチーフにしています。
次にKATO製ジオタウン「バス停」を素材に都バスのバス停を作ります。No.20で製作した広告付き停留所に続いて、今回は茶色のかまぼこ型屋根のバス停を作ります。アクリル屋根の再現に、製品の「タクシーのりば」の透明屋根パーツを使います。
そのままだと少し長いので、カッターナイフで筋彫りしたのちニッパーで慎重に折り取り、長さを切り詰めました。鉄やすりで断面を整えたあと、停留所名を光沢紙に印刷したものでフタをして仕上げました。
透明パーツ以外は0.75mm厚プラ棒で自作し、次回塗装予定です。
次に前回試作で好感触だった「ボンド布用クリヤー」を使い、オランダドライフラワー+ファインリーフフォーリッジのミニ街路樹(約3cm)を量産しました。ゴム系接着剤とは比較にならない効率で計12本を完成させることができました。
最後にHack Brücken(独)製「ポニートラス鉄橋(単線)グレー」を購入しました。落ち着いたつや消し塗装がされた金属製品で、ちょっとハンダ付け跡が目立つ部分もありますがシャープな印象に仕上がっています。
Evergreenのv-grooveプラ板の表面をサンドペーパーで荒らしたものと組み合わせて、海にかかる小さな人道橋にします。リノベ倉庫の木製テラスとうまく繋げたいところです。