レイアウトの作り方: 各種シーナリー素材の用途と特徴

Nゲージレイアウトの製作法をマニュアル化しています。

各種シーナリー素材の用途と特徴

I. 繊維系素材
II. スポンジ系素材
III. その他

I. 繊維系素材

1-1. スタティックグラス

合成繊維を数mmの長さにカットしたもので、繊維系素材の最もベーシックな形態です。細長い葉の草を表現するのに適しています。アプリケーターによる静電植毛を行うのがおすすめです。
・静電気による立ち上がり性能は製品によって異なり、おそらくは合成繊維の材質の違いに由来し、軟らかい繊維より硬く光沢のある繊維の方が立ってくれます。
・混色製品はものによって色同士のコントラストが強いことがあり、個人的には単色製品を混ぜて使うのが好みです。
・私は主に2-2.5mm長を使用し、下草・芝生に1mm長を使用しています。1mm長は色のラインナップが限られているため、適宜自家染色して使用しています。

メーカー・製品名帯電性能おすすめ色備考
プラッツ
「草地用パイル」
○ 日本の若草(混色) 若草は長さ約2mm。「日本の~」2製品はNoch OEMでない
Green Stuff World
スタティックグラス
○ 干し草(Hayfield Grass,単色)
Joefix Studio's
「草」
○ ライトブラウンの草2mm(Light Brown,単色)、
ベージュの草1mm(Beige,単色)
原製品名'grass fibres'。同じカラー名称でも繊維の長さによって色が異なる
Microrama
「もふもふ草」
○ カフェオレ(Café au lait,単色) 原製品名'Magifloc'
モーリン
「グラスセレクション」
△ ライトグリーン(単色)、グリーン(単色) 長さ約2.5mm。Woodland Scenics OEM 原製品名'flock(2mm)'
Ammo
スタティックグラス
△ 春の若葉(Vibrant Spring,単色) 長さ・太さにバラツキあり
タケダ
「ジオラマ芝生パウダー」
△ ライトグリーン(単色) 長さ(約3.5-5mm)・太さにバラツキあり

1-2. ミニネイチャー「小さな草むら」

スタティックグラスを密集して立たせた株状態に加工して販売しているものです。高品質の草をアプリケーターなしで施工できる反面、完成品ゆえ混色による色調調整ができないのが弱点です。製品名はメーカーによって異なり、ここで挙げたミニネイチャー製品以外にもマーティンウェルバーグ「草地 2mm」などが発売されています。

1-3. ミニネイチャー「枝葉」(N)

やや太めの繊維を枝として、繊維素材と目の細かいスポンジ粒からなる葉を組み合わせた製品です。ハサミで細かく切って樹木の葉としたり、主にスポンジ部分を分離して植物の表現に使います。Nシリーズのスポンジ粒度はターフの大きめの粒といったところですが、色に濃淡を付けてあり立体的に見えるのが特徴。私の個人的な一押しは「白樺の枝葉(夏)」と「ブナの枝葉(春)」で、いずれも葉の密度が高く、淡めの色合いです。欲をいえば枝は黒に近い色でちょっと目立つので、個人的にはもう少し枝の主張が弱いとより使いやすくなるなと思っています。

「夏の盛り(N)」枝葉4種の大まかな違い
種類 葉の密度 枝の密度 スポンジの色調
白樺の枝葉(N) 高い ふつう やや白みがかった落ち着いた緑
ブナの枝葉(N) ふつう ふつう 鮮やかな緑
カシの枝葉(N) ムラがある ムラがある やや青白さのある緑
ポプラの枝葉(N) ふつう 高い やや青白さのある緑

※葉・枝の密度は「季節」によって異なります。またロット差、個体差も大いにあると思いますのでご容赦ください。

1-4. マーティンウェルバーグ 「雑草」「茂みE/F」


マーティンウェルバーグ(Martin Welberg)製。スタティックグラスに細かいスポンジ粒をまとわせた剥離式の素材で、葉のある植物の表現に使います。素材感は3種ともほぼ同一で、茂みは高低差をつけてスタティックグラスを施工してあり、雑草・茂みF・Eの順番で背が高くなります。私は先端4~6mm程度をハサミでカットしてマットメディウム水溶液等で固定し、高さのある植物の表現に使っています。
色のラインナップは幅広いものの、個人的にはやや暗めの色が多い印象。私は主にスプリンググリーン、サンドブラウンを使っています。

1-5. ファイバープランツ (ポリファイバー)

KATO製(Woodland Scenics OEM)。パンチパーマをあてた髪のような独特な質感の繊維系素材です。特性上、少しボヤケたような表情ではあるのですが、ボリュームを容易に出すことができます。彩度を抑えた絶妙な色合いも流石ウッドランドといったところ。私は主にスポンジ系素材と組み合わせて、スポンジの粒度を細かく保ちつつボリュームを出すための下地素材として使用しています。

II. スポンジ系素材

2-1. ナノプランツ (ターフ)



・KATO製(Woodland Scenics OEM)。粒度の細かいスポンジ素材で、細密感と自然なボリュームを兼ね備えます。指で撒いてマットメディウム水溶液で固定し、背の低い草を表現します。茶こしで濾すことで粒度を選別でき、粗めの粒はスモールプランツの代わりにもなります。
・Tomixからも「グラス」の商品名で類似製品(Faller OEM)が出ています。KATO同様に少々暗めのカラー展開で、個人的にはもう一回り明るいとより使いやすいなと思っています。
・製品名ではナノプランツとなっている「花びら」や「粉雪」はバラストを砕いたような素材感で、スポンジ素材ではないように見受けられます。
・粒度の近い製品としてNoch製フロック(=プラッツ製ターフ)があり、ナノプランツと比較して明るめの色調が揃いますが、青系の染料が水に溶け出すという致命的な弱点があります。事前に水に浸しておく等の下ごしらえで対策はできるものの色調は変わってしまいます。

2-2. スモールプランツ (コースターフ)



・KATO製(Woodland Scenics OEM)。ナノプランツの粒を大きくしたもので、ナノプランツに重ねて散布してやや高さのある植物を表現したり、繊維系素材と組み合わせて葉の表現に使います。ナノプランツと比較して明るめの色合いのラインナップとなっています。
・独Jordan(ジョルダン)からも近い粒度の製品が「パウダー スポンジ粒(原製品名flocken)」として出ています。
・少々粒が粗いきらいがあるので、必要に応じ粗目の茶こしで粒度を選別したり、デザインナイフで刻んだりして使用しています。

2-3. プランツシート (フォーリッジ)



KATO製(Woodland Scenics OEM)。スモールプランツを目の細かいネットにからませた独特の素材です。少し指で引き伸ばし、余分な繊維をハサミでカットするとスモールプランツの緩やかな集合体になるので、スモールプランツだけでは不足する立体感を出すことができます。

2-4. テラプランツ (フォーリッジクラスター)



KATO製(Woodland Scenics OEM)。「プランツ」シリーズと言っても、ナノ/スモールとはだいぶ使い勝手が違い、ちぎって使うスポンジといったところで、遠景としての樹木や茂みの表現に使う定番素材です。

2-5. 天然素材樹木 葉っぱ付き (ファインリーフフォーリッジ近似)



KATO製(Woodland Scenics OEM)。着色したオランダドライフラワーにスモールプランツを接着したもので、樹木や低木の枝葉の表現に使います。初期のファインリーフフォーリッジのような、そのまま木として使えるような立派な枝ぶりではなくなってしまいましたが、幹と組み合わせることで繊細な樹木の表現が可能です。

2-6. ブッシュ「スポンジ細目」



ブッシュ(Busch)製、英製品名「Foam Scatter Material (Fine)」。通常のスポンジ素材よりも粗めのスポンジを細かくカットした素材で、コロコロ感やボヤケ感を出さずにボリュームを出すことができます。粒の大きさにはバラツキがあり、一辺の長さは1-5mm程、大きいものは指でちぎって小さくできます。
類似品にKATO(Noch OEM)製「木の葉(Structure flock, fine, 3mm)」がありますが、同じくNoch社のflock(プラッツ製ターフ)同様、水に染料が溶け出す重大な欠点があります。

III. その他

3-1. パウダー

おがくず(木粉)を着色した定番素材で、マットメディウム水溶液を塗った地面にパラパラと散布して地表の質感や下草を表現します。均一に敷き詰めるように撒いて地面を表現することもできますが、色が濃くなりがちなことやNだと粒度的に少々表現が強すぎるかな、というのが個人的な見解です。粒度や粒の形状はメーカーや製品によって異なり、必要に応じて茶こしで濾して粒度調整のうえ使用します。

メーカー・製品名粒度おすすめ色備考
津川洋行
「シーナリーパウダー」
細かい 黄土色
光栄堂
「情景職人」のパウダー素材
色によって異なる 春の草原色 (粒度細かい) 「ひなたの草原色」などは粒度・色ともにモーリン製品に近似
タケダ
「ジオラマパウダー」
やや細かい 黄土
モーリン
「カントリーグラス」
やや粗い ライトグリーン 短冊状の粒が混在
Tomix
「カラーパウダー」
粗い
粒形状が揃っている。Faller OEM

3-2. オランダドライフラワー

さかつうが輸入販売するScenic Express製「SuperTrees」、Green Stuff World「葉付きの小枝(Seafoam Trees)」等。繊細な枝ぶりのドライフラワーで、樹木の枝や幹としてスーパーリーフ等の葉素材と組み合わせて使用します。先端部を別素材の幹に接着する枝としたり、自然のフォルムを活かして単独で幹・枝を表現します。別素材の幹と組み合わせずに使用する場合、樹木らしい枝ぶりを得るためには、ある程度の大きさ以上(約5cm~)に切り出す必要があります。なおKATOの「天然素材樹木」は同様のドライフラワーを染色してスモールプランツの葉と組み合わせたものです。

3-3. スーパーリーフ

Scenic Express製の葉表現素材(原製品名SuperLeaf)。薄いフィルム状の樹脂を粉砕したような素材で、パリッとした細密感と適度な立体感を兼ね備えています。植物にもよりますが粒度はNにはやや大きめなので、私は適宜粗目の粉ふるいを通して粒度を選定して使っています。

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